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Libro,Musica,Planta DIARY(ほぼ読書日記?)


過去の日記


ご協力ありがとうございました。
06/6/30

以前に日記やブログで採り上げ、トップからリンクを貼っておりましたリハビリテーション医療の打ち切りに反対する署名活動は、40万人以上の署名を集め、本日厚生労働省に提出されました。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060630ik0b.htm

4月1日から施行された今回の措置により、すでに呼吸器疾患リハビリは制限日数を超えています。一日も早い撤廃を!と思いますね。

ご協力ありがとうございました。








エンド・ゲーム/恩田陸
06/6/27

得意な能力を持つが故に、権力に利用されることを恐れ、ひっそりと暮らしてきた常野一族を描く常野物語シリーズの第三弾。しかし第一部の「光の帝国」とはだいぶ趣が変わっていて、今回はインナースペースを舞台にしたサイコホラーの感触。

敵である「あれ」と遭遇しては、「裏返し」たり「裏返され」たりしている一族の夫婦は、同族同士の親を持つためにより強力な力を持つ娘が生まれたことを恐れ、娘が「あれ」と遭遇するのを少しでも遅らせようと、父親は蒸発している。

女手一つで娘を育てた母親はキャリアウーマンで、会社の研修旅行先で突如深い眠りに陥る。慌てた娘は、母は「裏返され」たのかと考えるが、一族の洗濯屋に「しまわれた」ことが徐々に明らかになってくる。

平和を愛するはずの常野一族だが、ここではやたらと殺伐としている。のべつ侵略者の「あれ」と戦っているようだし、別の能力を持つ「洗濯屋」は人の記憶を操り、過去を洗って、真っ白にしてしまうのだ。己のアイデンティティーが一瞬にして失われる恐怖が伝わってくる。

「あれ」にまつわる謎が明らかになる過程は、ミステリー作家でもある恩田陸らしいどんでん返しである。うーん、それにしても、あの平和な一族の物語がこうも変質するとは(笑)。










白雪みせばや
06/6/23



画像の白雪みせばやは北米あたり原産の多肉植物。ひと月ほど前、形が面白くまた安価でもあったので買ってきたら開花。花も可愛い(笑)。






更新
リンク集に東風茶房を追加しました。








最近気になるCM
06/6/22

外国人の草野球チームが民家にボールを打ち込み、謝りに行くと、出てきた小父さんの厳しい顔が「いぃんだよ〜」といきなりふざけた顔に変化する、キリン淡麗グリーンラベルのCMが面白い。この小父さんは志村けんなのだが、おかしなメークをしているせいで、初めは違う人に見えてしまう。最初は原田芳雄だと思っていた(笑)。
それからこの外国人、ドリフターズのイメージなんだそうだが、そこまで思いつかなかった・・・。
↓詳細
http://www.kirin.co.jp/brands/greenlabel/cm_making/index.html

同じくキリン聞茶のCMで、「花の首飾り」をバックに優雅にゆらめいている美少女は土屋アンナ。「下妻物語」のヤンキーイチゴとは偉い違いだが、それも彼女の演技力だろうなぁ・・・。美しい!(笑)。
↓詳細
http://www.beverage.co.jp/product/cm/kiki/


それしても、クイーンのヒット曲「ドント・ストップ・ミー・ナウ」に乗ってナイナイ岡村が踊りまくるNUDAや、木村カエラをボーカルに据えたサディスティック・ミカ・バンドが「タイムマシンにお願い」を演奏するラガーなど、このところのキリンのCMは上手いなぁと思う。気持ちよさのツボを衝いてくる感じだ。








雪屋のロッスさん/いしいしんじ
06/6/21

客になぞなぞを問いかけるタクシー運転手や、凄腕の棺桶セールスマンや、雪を降らせる雪屋など、さまざまな職業のプロフェッショナルを題材に、グロテスクだったりコミカルだったり悲しかったりの、いつものような不可思議な寓話世界を作り出しているショートショート・ファンジー。

登場するのは人間とは限らず、単純なハッピーエンドでもなく、それでも妙な幸福感があるのが不思議だ。村上春樹と宮沢賢治のハイブリッドのような感触のあるいしいしんじ作品だが、更に磨きがかかったか。よくもまぁあれだけ多彩な物語を作り出したものだ。

大工の大半は異星から来た人で、とんてんかんという金槌の音は故郷の星への通信なのだというアイディアが秀逸(笑)。










剣客商売
06/6/20

ビデオ録画しておいた剣客商売を見た。江戸情緒たっぷりの時代小説(池波正太郎原作)を、これまた情緒たっぷりに映像化しており、楽しみなシリーズである。

剣の腕は一流ながら、市井にまじわり飄々と生きている剣客・秋山親子が主人公で、父親の小平(藤田まこと)はもめ事解決を半ば道楽のようにしている。息子の大治郎は朴訥な好青年で、これ以外ではほとんど見ない山口馬木也という役者が好演である(以前、朝ドラで軽薄な医師の役をやっていてがっかり(笑))。

秋山親子が偶然誰かを助けたことからトラブルに関わり、これを岡っ引きなどを使いながら解決していくというのが毎度のパターンで、ご都合主義だの偶然が重なり過ぎだの言っても始まらない。勧善懲悪も人情もあるが、通り一遍の時代劇に終わっていないのは、行く立ての機微が細やかだからだろう。

脇役も贅沢に使っており、大治郎の妻・三冬に寺島しのぶ、その父親・田沼意次が平幹二郎、小平の若い妻・おはるが小林綾子など、芸達者揃いだし、ゲストもなかなか豪華で、今回は大滝秀治が、冷徹な商人ながらお人好し振りも見せる大店の主を好演していた。決してハンサムとは言えない爺さんだが、可愛らしい笑顔で良い味を出しているなぁ・・・(笑)。そういえばスポンサーにキンチョーがついていて、岸辺一徳とのお馬鹿なCMがはさまっていたが、これも一興。

江戸の郊外のような水郷の風景は琵琶湖近辺で撮影しているようだが、昔の江戸にはあのような美しい風景がそこかしこに見られたのだろうなぁと思う。美しい田園都市・江戸を破壊したのは誰だ!?、と今更憤ってみても仕方ないのだが・・・。

美しい画面は堪能したが、不自然に思えたのは言葉遣い。「商いが軌道に乗る」なんて言い方が江戸時代にあったのだろうか(この辺の知識はないので、どなかた御教示下されば幸いです)。市井の剣術使いとは言え、武家や武家の妻が商人の娘に対して「〜される」「〜して頂く」「〜様」などと言うのがおかしく思える。まぁこういう突っ込みは言い始めたらキリがないのだが、言葉は時代劇において大きな要素だから気を使って欲しいと思うのであった。


昨日の日記に書いたオーストラリアのサッカー賭博は不問と言うことになったようです。残念!(笑)。詳細は↓など。
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/2006worldcup/news/20060620-OHT1T00075.htm








勝てる試合
06/6/19

昨日のクロアチア戦で激しく燃え上がった日本だが引き分けの結果。まぁ、これが実力なのだろう。オーストラリア戦では誤審があったと主宰者側が認めたが、それとて終了間際に3点も取られているのだから、言い訳にはならない。

嫌なのは、クロアチア戦終了後の「勝てた試合を落とした」という言葉だ。実際に相手を負かすことができなかったから、勝てなかったお前がそこにいるんじゃないかと思うのである。相手に対しても失礼だ。そういえば卓球の天才少女もこの言葉を使っていたっけ・・・。

ブラジルに2点差で勝つことなどありえないだろうが、有終の美は飾って欲しいもの。引き分けなら大金星だろう。

などとひねくれたことを考えつつも、やはり国威がかかるとプチナショナリストになって、日本チームの行方は気にかかる。そういえば、オーストラリアにサッカー賭博があり、もしかしたら失格になるかもしれないと、朝のラジオ番組で聞いたような気がするのだが、そういうニュースは一向に聞かない。願望ゆえの夢うつつだったのかなぁ・・・(笑)。








美の壺 金魚
06/6/18

一昨日のNHK教育「美の壺」は金魚を採り上げていた。

夏の風物詩の金魚鉢だが、ガラス鉢で立体的に見るのは近年のことであり、浅い木製・陶製などの容器で上から鑑賞する「上見(うわみ」」というのが正しい鑑賞法らしい。

約1600年前、中国で1匹の赤い鮒が生まれ、縁起が良いからと皇帝に献上されたのが金魚の始めということで、恐らくこれを交配親にしてさまざまな品種が産み出されたのだろう。

出目金、らんちゅうなど、横から見るとグロテスクにも見えかねない姿だが、上見のための改良だそうである。頂天眼などという品種は、上からでも目玉が見えるようにと作り出されたそうで、光の指しにくい口の狭い瓶で代々育てることによって産み出されたという。凄い執念だが、生物学の原則で「獲得形質は遺伝しない」のだそうだし、突然変異でもない限り環境に即して進化するなどはあり得ないのではないだろうか。

それにしても、改良され続けた金魚はある種奇形魚を見るようでもある。纏足なども似たように思えるが、美を鑑賞するためには何でもありなのが中国の凄いところだ。スイセンの球根に傷を入れて葉をクルクルと縮らせる「蟹作り」なんてのもある。もっとも、我が国の変化朝顔なども無理な掛け合わせで変てこりんな種類を作出して喜んでいたのだから同様かもしれない(笑)。

日本の場合は、金魚の品種改良よりも在来種の金魚をいかに美しく生育させるかに力を入れているそうで、一匹ずつ取り出しては梅酢で拭いたりしている。錦鯉もそうだが、模様の出方でとんでもない値が付いたりするんだろうなぁ・・・。おかしなかっこをした金魚より、金魚すくいの金魚のような、1匹10円20円で売っている昔ながらの小さな金魚の方が可愛いような気がするが、これはまぁ趣味の世界だから好みはそれぞれである。

ところでいろいろと話題を撒く六本木ヒルズの住人たちだが(笑)、あのあたり、昔は湧水が豊富で、武家の内職として屋敷内で金魚養殖をしていたらしく、その名残で金魚の養殖業が盛んだったそうだ。で、基本的には賃貸だけのヒルズの中で、土地と部屋を交換してオーナーになっている元金魚屋さんが自治会長を務めておられるという話だ。










ブロガー冥利(笑)
06/6/17

以前、ブログに「佐藤俊介を推す」という一文を書いたことがあります。
佐藤俊介様は新進気鋭の実力派ヴァイオリニストですが
(最早呼び捨てにはできません(笑))、
ご本人様よりコメントを頂いてしまいました!(狂喜乱舞)。

ブロガー冥利に尽きるというもので、
嬉しいのでエントリーにリンク貼っちゃいます(笑)。
http://lmp.blog59.fc2.com/blog-entry-179.html

佐藤俊介様オフィシャルサイト








シンクロニシティ
06/6/15

シンクロニシティという心理学用語がある。同じような事象が立て続けに身の回りに起こることで、共時性などと訳されているようだ。

とある美術紀行番組で「カメラ・オブスキュラ(いわゆる暗箱)」というもの見たら、すぐに別な番組でそれを見たたことがある。こういうのは、それまで意識(語彙)になかったものを覚えた故に認識されてくるのだと何かで読んだような気がする。

とあるブログに「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 座したままにて食うは徳川」などという戯れ歌をコメントさせて頂いてきたら、次の日に読んでいた時代小説中に登場してきたというのが最近のシンクロニシティだが、こういうのはどう説明が付くのだろう。単なる偶然だろうか。

ポリスだったかスティングだったかの「シンクロニシティ」はスリリングでかっこいい曲だなぁ、などと考えていて、明日あたりFMなんかで聴いたりしたらビックリ!、などと愚にも付かないことを考える梅雨の夜・・・(笑)。








金春屋ゴメス/西條 奈加
06/6/13

第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。近未来の北関東の一画に、国として独立したバーチャルな江戸があるという設定で、江戸から日本へ脱出した父親の求めに応じ、幼い頃の記憶を取り戻すために江戸入りした青年・辰次郎を主人公にしている。

「江戸」は、元々は金持ちの老人が道楽で作り始めたものだが、追随する金持ちが現れたり、自然との共生に惹かれて移住するものが出たりと、徐々に大きくなっていったものらしい。このあたりは井上ひさしの「吉里吉里人」や、藩邸内に東海道五十三次の宿場町を作ってしまった尾張藩主・徳川宗春がヒントになっているのではないだろうか。

「江戸」への入国は厳重に管理されており、抽選でもなかなか当たらないものだが、辰次郎には特別な事情があり、裏から手を回して入国が許されている。辰次郎の落ち着き先は出入国を管理する長崎奉行で、この奉行こそ金春屋ゴメスの異名を取る、容貌魁偉で凶暴な女親分である(笑)。その外貌はスターウォーズのジャヴァ・ザ・ハットを想像させたが、スター・ウォーズからのパクリだろうか(因みに落語家の鈴々舎馬風師匠もジャヴァ・ザ・ハットに似ている(笑))。

ゴメス親分の捕り物に参加する辰次郎だが、このあたりは何やら鬼平犯科帳なんぞを思わせるし、ゴメス親分のかっこいいこと。子分たちにとっても凶暴な親分だが、悪を憎む心はひと一倍である。

「江戸」に向かう船で辰次郎と一緒だった松吉は、時代劇マニアが高じた末の「江戸入り」である。情けない役回りを振られているが、軽薄ながら良い奴でもあり、辰次郎との友情が快い。何か阿部サダヲが演じたらぴったり来そうな気がする(笑)。

辰次郎の自分探しの旅でもあり、パニック物でもあり、友情の物語でもあり、いろいろな要素を詰め込んだ、なかなか読ませる物語だった。

この大賞の受賞作は、沢村稟や酒見賢一もそうだが、魔法使いや妖精や怪物が跋扈するようなファンタジーより、ヴァーチャルな世界での現実的な物語を書く作家が多いような気がする。そういうものこそ、設定に現実感を与えるのが大変ではないかと思うのだ。まぁ、病弱な若旦那と妖が活躍する愉快な「しゃばけシリーズ」の畠中恵もこの大賞出身ではあるが・・・。










GANGA ZUMBAライブ
06/6/12

NHK-BS2で、宮沢和史の新プロジェクトGANGA ZUMBAのライブを放映していたが、このメンバーが実に豪華。ルイス・バジェ(キューバ人トランペッター)、高野寛(ギター。もしや「虹の都へ」を歌っていた人?)、今福健司(パーカッション)、GENTA(ドラムス。もしやデ・ラ・ルスのティンバレス?)、更にアグレッシブな美人ジャズバイオリンやら日系アルゼンチン人のコーラスやブラジル人パーカッション&キーボードなどの錚々たる顔ぶれである。

このメンバーの繰り出す音が悪かろうはずがない。ジャズ、スカ、レゲェ、ラテン、ブラジル音楽、日本民謡、沖縄民謡、アラビア音階などが混交されて、ノリノリのエスニック風Jポップである。特にMamboleroという曲が、トランペットは全開だし、ラテン歌謡曲の趣はあるし、圧巻だった。宮沢和史の低音ボーカルも相変わらず心地よい。

ただ、宮沢和史はどこへ向かおうとしているのかよく分からない。「島唄」「風になりたい」の成功でワールドミュージックの色合いが付いてしまったのか、それとも元々そういう指向をもっているのか。ザ・ブームの初期の名曲「星のラブレター」はすでにスカを採り入れていたが、デビュー曲は「君はテレビっ子」だったしなぁ・・・(笑)。ま、見ているこちらとしても、通常のポップスよりもエスニックなものを期待してしまう部分はある。普通に歌っているのを聴くと「この曲つまんねーなー」とか。

ともあれ、ソロプロジェクトのバックバンドから、GANGA ZUMBAというひとつのバンドになったということで、頑張って欲しいものである。CDの売り上げなどとは関係なく、ライブに大勢のお客が詰めかけるバンドがあるのは音楽的に非常に豊かなことなのだから。

更新情報 リンク集を更新しました。








続きはWEBでね?
06/6/11

「この続きはWEBでね?」とやらかすテレビ(ラジオもあり)のCMが大嫌いである。数年前からこのフレーズを耳にするようになっていて、このところしばらくはないかなぁと思っていたが、最近はやたらとテレビから流れる。ついでに言えばこの尻上がりの「?」もいやだ。

そもそもインターネット接続環境のある視聴者ばかりではないのである。何をもったいぶりやがって、情報があるなら、分かりやすい方法でお客様に全部お伝えするのが筋だろうと思うのであるが・・・。しかもCMの制作費は、「WEBでね?」を見ないお客様からの売り上げも入っているはずだ。

阿部寛の目薬のCMとか、にんにくなんとかとか、菅野美穂の「○○人で検索して下さい」とか、金輪際接続(検索)してやるものかと思う(笑)。

アブチロン

アブチロン








映画「下妻物語」
06/6/8

録画しておいた映画「下妻物語」を見た。

ヒットしただけあって、確かに面白いことは面白い。ただ、何というのだろうか、原作のコミカルな部分だけを抽出してさらにコミカルな演出を施し、却って希釈されてしまったような感じがある。何故リュウジを一角獣にする必要があったのか。何故ヒミコ伝説に余計な付け足しをするのか。

ロリータちゃん桃子のファッションへの情熱や刺繍への愛、ヤンキーちゃんイチゴがいかにしてヤンキーになったか、桃子のダメ親父のダメさ加減、危機に陥ったイチゴを桃子が救出に向かうシーンのバカバカしさ極まる感動など、原作にあった濃密な空気が不足していて、その辺も不満足である。

イチゴが所属するレディース(表記が思い出せないが、画数の多い漢字で「ポニーテール」に当て字をしている(笑))のリーダーが族をあがることになり、世話になった彼女への思いを込めて、自慢の特攻服に「亜樹美さん ありがとう」の刺繍を入れて貰おうとするシーンがある。これを桃子が引き受けるのだが、デザインに凝りまくり根を詰めて入れた刺繍が映画ではショボイのである。背広を買うと入れてくれるネームと変わらず(笑)、これではアキミさんへのイチゴの思い、イチゴへの桃子の友情が伝わらない。

原作でのラストシーンは桃子&イチゴとレディース軍団との対決で、ここもバカバカしいくらいに熱く感動的なのだが、映画では桃子の独り舞台になっていて、これもなんだかなぁと思う。

この物足りなさは、或いはテレビ放映用の編集によるのかもしれず、本編をきちんと見ないで批判するのはいかがなものかもしれないとは思うのだが・・・。

めっけ物はヤンキーちゃんを演じた土屋アンナで、飛び切りの美少女なのに少ししゃがれてドスの利いた演技が実によい。ロリータファッションで暴れ回るシーンの堂に入っていること(笑)。深田恭子の方は、もうこれは彼女のためにある役としか思えない。富豪刑事と似通うキャラだが、最近の富豪刑事は小倉優子が入っているような気がする。








竹千代を盗め/岩井三四二
06/6/6

桶狭間で、織田に今川が大敗し、松平元康(後の徳川家康)が今川から離反し始めた頃、甲賀の忍・伴家一族に、元康麾下の酒井雅楽頭が、今川の人質になっている元康の妻子を救い出してくれという依頼が来る。

頭領の与七郎は、喜び勇んでこの仕事を引き受けるが、実際に手を付けてみると元康妻子は駿府の松平邸にはおらず、今川配下の隠密組織に襲撃されて這々の体で逃げ帰ってくる羽目に。どうもこの仕事には裏がありそうだと睨んだ与七郎は、依頼された任務と共に裏の事情も探り始めるのだった。

分家の冷飯から本家の婿に入った与七郎のキャラが面白い。一族を束ねて喰わせていくのは大変で、幹部からは軽んじられ、何とか稼ぎを得ようと必死になっている。与七郎自身も二流の忍びであり各所で失敗ばかりしているが、その辺が却って愛敬だ。ここには超人的な活躍をする忍者は出てこないのである。与七郎は家に居場所がないので、馴染みの歩き巫女との情事に耽っているが、このイチイという気の良い巫女が偉い。挫けそうになる与七郎を支え、駄目忍者を奮い立たせる起爆剤ともなっている。

この作家は、「月ノ浦惣庄公事置書」「十楽の夢」などのように、労苦を強いられる戦国期の庶民の姿を描き出すのが上手いが、本作に登場するのも、超人的な活躍をする忍者ではなく、請負仕事で細々と食いつないでいる土豪であり、「月ノ裏…」同様の感じがある。戦国期の人質になる子供の扱いが哀れだが、全体にユーモラスなのが救いだ。










花菖蒲
06/6/4

トップの画像を変更。元ネタは下の写真(三渓園にて)である。

横浜市が管理する三渓園は明治の豪商・原三渓の邸宅跡で、広大な敷地が回遊式の庭園となっており、更に古今の名建築も移築されていてちょっとした見もの。これからは花菖蒲や蓮が見頃となる。











落下する緑/田中啓文
06/6/2

ジャズミュージシャンのコンビが、音楽の現場で起きるさまざまな謎を解く連作ミステリー。光文社の文芸オーディションで鮎川哲也の選に入ったデビュー作を連作化したもので、編集側からギャグもグロもダジャレも禁止という命が入っていたらしいが、その割りにきちんとお馬鹿な語呂合わせが入っていたりする(笑)。

語り手はクインテットを率いるトランペッター唐島で、彼のクインテットの一員である永見緋太郎が探偵である。唐島は、ややフリージャズ寄りのサックスを吹く永見を可愛がっているが、「笑酔亭梅寿謎解噺」同様に、この作家は師弟コンビを書かせると上手いものだ。比較的常識的な唐島に対して、非常識な天然ぶりを見せつつ頭が切れて感受性豊かな永見のキャラも楽しい。

第一話だけは美術をネタにした謎解きだが、他の作品は、非常識・傲岸不遜・嫉妬深さなど、人並み外れたキャラクターを持つ音楽関係者を上手く登場させて、ジャズの雰囲気が濃密なユーモアミステリーになっている。




6月になりましたが、「青嵐」が気に入っているので日記の背景はそのままです。というより、月変わりをすっかり忘れていました(汗)。当分このままいくかもしれません・・・。











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