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Libro2010インデックス




こいしり/畠中恵

古町名主のお気楽な道楽者の跡取り麻之助が町内のトラブルを解決してみせる「まんまこと」の続編である。

旧友で堅物の同心見習い吉五郎の紹介で気だての良い嫁を娶った麻之助は、昔に憧れた幼なじみお由布(やはり旧友の清十郎の義母となっている)への思慕も断ち切りがたく、やや伏線めいて語られているが、さほど大事になることもなく、穏やかな夫婦の暮らしに入っていくだろうことが見て取れる。

前作ではお由布の生んだ幸太が大変に愛らしかったが、今作では出番が少なく残念。ただ、麻之助夫婦に三行半騒動が持ち上がる種を作っていて、これも大変におかしい。

所帯を持ったとは言え、顔役や高利貸しとも意気投合したりして、相変わらずの麻ノ助の活躍が愉快だ。欲を言えば少し成長して見せてくれればよいが、これはしゃばけシリーズの病弱若旦那一太郎も同様か(笑)。





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