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CD的雑想 民俗音楽 ワールドミュージック

 

高校生までは普通にポピュラーミュージックやらを聴いていましたが、 何時の頃からかアコースティックな音楽の方に好みが変わってきて、 民俗音楽的な方にも興味が行くようになりました。

80年代にジプシーキングスが流行ったくらいから、 フラメンコやらそこから派生してロマの音楽なども聴くようになっています。 東欧のロマのバイオリンなどは超絶技巧がたまりませんなぁ・・・。

東欧の音楽は、何かオリエンタルな憂愁が感じられて、とても魅了されます。 クラシックでも、スメタナ、ドボルザーク、チャイコフスキーなどの作品に 魅かれますし・・・。要するに演歌的なのでしょうか(笑)。

10年ほど前に、スーパーの店頭に出張している臨時のCDコーナーで、 コンチネンタル・タンゴのアルフレッド・ハウゼ楽団のCDを買い求めたのですが、 ムード音楽というのか、何かダンスホールの音楽のようでがっかりでした。 民俗音楽には、もっとドロドロしたものを求めたいです(笑)。








EL FESTIVAL de Salsa en NEW YORK

オスカール・デ・レオン、オルケスタ・デ・ラ・ルスなどが出演したサルサフェスティバルに 御大ティト・プエンテまで参加している超お得なライブ盤。 聴衆の歓声やら、スペイン語によるMCやら、否が応にも盛り上がります。

1 DALE JAMON / HERMANOS MORENOは、柔らかくて野太いコロが好きです。 「パ パ パ パパ  チャ チャ チャ サルサ  サルサルサ サルサ」なんて口クラーベがあった日には、 もう一緒に口ずさむしかありません(笑)。 歌の途中で南米各地の国名を挙げていきますが、プエルトリコのところで一番盛り上がるのは、 聴衆のほとんどがプエルトリカンだったりするんでしょうか。

2,3のGRUPO NICHEは、すねた子供みたいな声のカンタがあまり好きではありませんが(時折音もはずしています)、 くさみはたっぷりです。

4 JALA-JALA / RICHE RAY & BOBBY CRUZ このCDの中では脳天気度が一番高いような気がして、とても好きなトラックです。 思わずからだが動き出すグルーヴ感ですな。 正確さは今ひとつながら、素早いパッセージのハイノートなラッパのソロにはグイグイ来るものが・・・(笑)。 5 SONIDO BESTIALは、ティンバレスのソロが聴けるので◎。

7 EL GRAN COMBOは、演奏のバランスが揃っていて聴きやすうございました。 そういう意味では8のデ・ラ・ルスの演奏も同様です。 ティト・プエンテの気を持たせるようなティンバレスも聴けて(もう少し爆裂して欲しかった)、 一粒で二度美味しゅうございました(笑)。









Danzon(dance on)/アルトゥーロ・サンドバル

アルトゥーロ・サンドバルは、宮城県で活動するアマチュアサルサバンド“La banda! Sonido Bravo”の トランペットNichols氏に教えて頂いたラテントランペッターですが、つんざくようなハイノート、思わず体が動き出すグルーヴ感など、ノリノリのラッパです。

このDanzon (Dance on)というアルバムはグラミー賞を受賞していますが、 直撃するトランペットと共に脳をグラグラとかき回すようなパーカッションが魅力的でした。 聴いていると何ともパラダイスな気分になるアルバムです。

マンボは享楽的か感じがありますし、そこから進化したサルサも享楽的ですが、よりスリリングな印象があります。 アクロバティックなティンバレスやボンゴやコンガ、「山椒は小粒でもぴりりと辛い的」なカンパーナなど、 パーカッションが複雑にからまって生まれるリズムには何とも言えない快感を覚えますね。

私にはラテンファンの伯父がいたのですが、 マンボ以降のラテン音楽はノルテアメリナカナイズされていると言って認めない頑固なオールドファンでした。 私はどちらかと言えばノルテアメリカナイズの方が好きなのですが(笑)。 それでも、レクオーナ・キューバン・ボーイズなどの古い録音を聴かせて貰ったのが懐かしい思い出です。

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Danzon (Dance on)

IRAKERE

アルトゥーロ・サンドバルは、キューバのIrakereというラテン・ジャズのバンドに在籍していましたが、 体制を嫌って亡命しました(サックス奏者のパキート・デリベラも同様です)。 メンバーの中に政府の監視員がいたと語っていたと、ラテン関係の本で読んだことがありますが・・・。

Irakereのリーダーは、チューチョ・バルデスという巨漢ピアニストです。 「カジェ54」というラテンジャズ映画で、巨体に似合わない、繊細な超絶技巧を披露していたのが意外でした。 父親との共演が圧巻ですが、彼の父親は海外公演時に外国女性と恋に落ち、そのまま帰国しなかった人です(笑)。

The Best of Irakereは、キューバンジャズというより、ガンガン来る迫力がファンク的という印象を受けました。 アース・ウィンド&ファイアーなどを思い出します。Irakereはアフリカのヨルバ族の言葉で密林という意味なのだそうで、結成30周年になるIrakereの音楽は、あくまでヨルバ族の音楽だということです。

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The Best of Irakere










SALSA HITS 2001

民俗的な音楽は個性が強すぎるので、個々のミュージシャンの差異が分かりにくいことがございます。 タイトルからも分かるとおり、おそらくヒットしたものを集めているのでしょうから、 どの曲もそれなりに心地よくて、なかなか「これは!」という曲が見つけにくいのですが、 やはりドロドロ感のあるものに強く魅了されるようです。

“PERO DILE / Victer Manuelle”は大上段に振りかぶったメロディと、 祭囃子風カンパーナが気持ちようございます。 “EL APARTAMENTO / Canta Gilberto Santa Rosa”も同様な感じでしょうか。 ラテンパーカッションというのは、アクロバティックなリズムのリズムの魅力だと思っていましたが、 オンビート四つ打ち(と言う表現が正しいかどうか分かりませんが)のカンパーナでも 濃厚にアフロくなるのだと分かってきたように思います。

“ESE / Jerry Ribera”は、ニューミュージック(死語?)的爽やかさが感じられる曲です。 切なさと希望が入り交じっている感じのこういうメロディには魅了されるのでした。

“Tu Carinito / Puerto Rican Power”は、泥臭さにややオマヌケなラップもあって、 陽気な楽しさに溢れています。ラテン音楽はこうでなくては・・・(笑)。

“JUNTOS DE NUEVO / Canta Tony Vega”はお気楽パラダイスな感じの曲で、 笑みを含んで歌っているようなカンタが心地ようございました。

“NO MAS MENTIRAS / T.M.C”はクサ〜い情感たっぷりで、演歌と紙一重という感じです(笑)。

“DIRECTO AL CORAZON / Paquito Guzman”はややカンツォーネが入っているような・・・(笑)。 これもニューミュージック的爽快さを感じる曲です。 乏しい知識から考えるに、「心を操る」とか、そういう意味になるでしょうか。 関係ないですが、南米にはドイツ系の名前が多いですね。移民の数がかなり多かったそうですが・・・。

ジャケットには、アーティストの写真がコラージュしてあるだけであまり工夫が見られないのですが、 胡散臭げなおっさん集団からアイドル風まで、かの音楽の幅広さが感じられるのでした(笑)。









ヴァガブンド/チコ&ザ・ジプシーズ

ジプシー・キングスのリーダーだったチコ・ブーチキーが、ジプシー・キングス脱退後に結成したグループです。 この分野をルンバ・フラメンカというらしいですが、 従来のカンテ(歌唱)とギターのフラメンコにティンバレスなどの打楽器が入り、 更にポップス化させたもの、という感じでしょうか。 正直なところジプシー・キングスとの差異がよく分かりませんが、 ノリの良いギター、塩っ辛い声のカンテ、そこはかとなく漂う哀愁など、 かなり好きな世界ではあります。打楽器はちょっとしょぼいような気も致しますが・・・(笑)。

フラメンコは、超絶技巧のギターと情熱的なカンテと狂乱する手拍子・足拍子のリズムが魅力的です。 ロマ(ジプシー)の音楽と言うことになっていますが、ユダヤ、イスラム、スペイン土着の音楽など、 様々な音楽の混交であると聞きました。 イベリア半島に進出していたイスラムの遺産あるアラブ・アンダルースという音楽が、 現在でもジブラルタル海峡をはさんで両方に残っているそうですが、 フラメンコもこの末裔だということです。そいうえば小節の利いたカンテにはコーランに似たものを感じます。

余談ですが・・・。ジプシーは差別語だということでロマが使われていますが、 チコ・ブーチキーは出自に誇りを持っているので、「ジプシー・キングス」や「チコ&ザ・ジプシーズ」などのグループ名に使うそうです。 ピーター・バラカン氏のFM番組で、ロマという呼び名にこだわるのは日本とドイツだけという話を聞いたことがありますが。

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ヴァガブンド









ザ・コアーズ・アンプラグド

ワールドミュージックを愛好していますが、アイルランド音楽、 或いはケルト音楽という人気のある分野については疎く、 エンヤとクラナドとチーフタンズくらいしか知りませんでした。
最近、何かの音楽フェスティバルの映像でザ・コアーズというアイルランドの兄妹バンドの映像を見まして、 なかなか良いぞと思っていたのですが、折良く中古でMTVアンプラグド・ライブのCDを見つけることができた次第です。

爽やかな歌声、美しいコーラス、時折アイルランド風になる重厚な演奏が魅力的です。 フィドル(バイオリン)、ボーラン(タンバリン)、ティン・ホイッスルなど、 民族楽器の音色が心地よいですが、もう少しドロドロ感が強いとさらに良いのになぁと思います (民俗音楽の魅力は泥臭さだと思っておりますので)。 デビッド・フォスターというアメリカの有名なプロデューサーがサポートしているらしく、 そのせいで民俗色が薄いのかとも思いますが・・・。

4トラック目の“TOSS THE FEATHERS”と言う曲だけは完全に民俗音楽風で面白うございました。 アイルランド音楽の旋律は日本の旋律に似ていると思うことがあるのですが、 ティン・ホイッスルが活発に奏でる曲などは祭囃子に聞こえて参ります(笑)。

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