HOME





あじさいのページ

湿潤な日本の風土に馴染むあじさいは、じめついた空気の中で何とも爽やかさを感じさせてくれる花容で、とても好きな植物ですが、自生地が都から遠かったこと、色変わりするが変節に通じて武士に嫌われたなどの理由で幕末まで我が国では人気の花ではなかったという話を園芸雑誌で読んだことがあります。

シーボルトが海外に持ち出して繁殖させ、ヨーロッパに普及し、その人気が逆輸入されたのだとかいうことですが、このように美しい花が人気なかったなんて、ちょっと信じがたい感じがございます。日本原産の植物であるアジサイに対して、何か失礼な話ではないでしょうか(笑)。

因みにシーボルトの愛人お滝さんの名にちなむ「オタクサ」という品種名が今も残ります。


挿し木について


あじさい屋敷にて

横浜市瀬谷区に、あじさい庭園を開花期だけ開放している個人邸宅があり、2008年に行ってみました。

あじさい屋敷にて
あじさい屋敷にて"
あじさい屋敷にて
あじさい屋敷にて

城ヶ崎

美しい八重咲きになるがくあじさい。店頭に並ぶ鉢は薄ピンクだったり薄紫だったりしますが、土の酸度によって違ってくるのでしょう。どちらに発色してもきれいです。
地名の付くあじさいは原種のことが多いような気もしますが、今に至るも原種か作出品種かはっきりしません(笑)。

あじさい城ヶ崎

かしわばあじさい(柏葉紫陽花)

北米原産のユキノシタ科(或いはアジサイ科)植物。生態はほぼあじさいと同じですが、長い穂状の花を付けるところが大きな違いです。庭植えで見栄えがするので、ガーデニングブームと共に一気に普及したように思います。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カシワバアジサイは、アジサイ科(ユキノシタ科)アジサイ属の落葉低木。学名はHydrangea quercifolia。 原産地は北米東南部。花の色は白。

葉の形がカシワに似ていることが、和名の由来。花は円錐状あるいはピラミッド型に付く独自の形状をしており、5月〜7月に真っ白い花を付ける。八重咲きと一重咲きがある。一般のアジサイとは異なり全体の印象としては木のボリュームに比し、花が少ないのが特徴。葉には切れ込みがあり、秋には紅葉する。 古くから日本にもあったが、最近、一般に出回り始めた。
* 樹高 50p〜200p

かしわばあじさい

手まりあじさい

このあじさいが一番オーソドックスでしょうか。梅雨時のじめついた空気の中に爽やかなブルーが良く映えます。


手まりアジサイ

丸弁がくあじさい

丸弁薄青のがくあじさいです。この後濃い青に変化しますが、このくらいの時が一番きれいかもしれません。

丸弁薄青

ハイドランジア

いわゆるハイドランジア(西洋あじさい)は海外で鉢花用に改良されたあじさいです。

ハイドランジアと言う呼び方はあじさいの学名だと思いますが、湿潤を好む性質から名付けられたのかと思ったら、どこかの部位が水瓶に似ているからだという話でした。

ハイドランジアピンク

ニューバース桂

ニューバース桂

京都府立桂高校草花クラブの生徒たちが作出したというあじさいです。タキイ種苗のカタログで入手しました。

土の酸度次第で薄ピンクにも薄青にも、ガクとてまりの中間の花型、挿し木後一年で花を付ける開花の良さと、 良いことづくめの惹句で、苗を購入して開花を楽しみにしていたのですが、これが2年経っても3年経っても開花しません。

カタログに「弊社に責任のある苗については代品を送る」とあり、 物は試しとクレームのファックスを入れてみたら、 代品はないが見本用の株を送ると、立派な大株が送られてきました。 買えば3000円くらいはしたのではないでしょうか。 さすが大企業はやることが違うと、すっかりタキイファンになってしまった次第でございます(笑)。

やまあじさい(山紫陽花)

東北南部から九州あたりに自生する原種あじさいで、派手すぎない清楚な花容が何とも魅力的です。

手まりあじさいのように大きくなりすぎることもなく、庭植えにも重宝します。 挿し木後一年で必ず開花するのもありがたいあじさいです。

やまあじさい

ヤマアジサイ青

やまあじさいクレナイ

紅(くれない)

三角形の花弁は、咲き始めは白、徐々に色づき、最終的には赤くなります。変化を楽しむあじさいでしょうか。






墨田の花火

10年ほど前に登場し、大ブームになったような覚えがあります。ネーミングの勝利ですな(笑)。もちろん、姿の美しさがあってのことですが・・・。

墨田の花火

らい亭にて

鎌倉にらい亭(らいは「木雷」と書きます)という回遊式の庭園がありますが、そこで写したアジサイです。 何とも可憐なピンクですな(笑)。

らい亭ピンクあじさい

挿し木について

最後に挿し木について簡単に記しておきますが、関東南部で行っている自己流の挿し木法なので完璧ではないことをお断りしておきます。

適期は、温度・湿度共に申し分ない梅雨入り後〜7月くらいがちょうど良いのではないでしょうか。挿し穂をよそで頂く場合、実際の花を見て決めることもできます。

挿し穂は、脇芽が出ている部分で下に二節くらい付けて切り(開花茎なら花よりも二節下の部分を上として、そこから更に二節下)、数時間コップの水に漬けて水揚げします。葉は一番上の一組を残して全て落とし、残した葉は水分の蒸散を避けるために半分くらいに切ります。

バーミキュライト、赤玉土小粒など、肥料分を含まない清潔な用土を湿らせ、鉢皿に水を溜めて鉢を置き、常時湿っている状態にします。用土にピンセットで穴を開け、ここに挿し穂を挿しますが、素焼きの浅鉢なら鉢の側面の部分に挿しておくと発根がいいそうです。

一ヶ月後くらいに挿し穂を引っ張ってみて抵抗があれば発根しています。この手応えが何とも楽しみです(笑)。発根していたら、ポリポットに鉢上げしましょう。

翌年の早春くらいに根が良く回ったところで一回り大きな鉢に植え替えます。運が良ければ花が見られるかもしれません。



HOME