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Libro,Musica,Planta DIARY(ほぼ読書日記?)


過去の日記


安徳天皇漂海記/宇月原晴明
06/7/30

波の下に沈んだ安徳天皇は、神器である真床追衾(まとこおうふすま)に守られ、眠り続けているという設定で、著者お得意の耽美的なホラーを展開させた時代伝奇小説である。

第一部は、鎌倉幕府三代将軍実朝の側近が語る、安徳と実朝の因縁。幼くして海に沈められた怨みを抱き続け、瞋恚をたぎらせている安徳は「わが兵(つわもの)になれ」と実朝の夢の中でささやき、実朝は、この怒りに魅了されてしまうのである。そうして、高丘親王の故事に倣い、怒りの鎮めどころを探す旅を計画する・・・。安徳が無邪気でいたいけでなんとも恐い。

第二部は、クビライ・カーンの巡遣使であるマルコ・ポーロが体験する不思議の旅。平家物語がカーンの御前で語られ、モンゴル語に訳され、それが現代日本語に置き換えられるという、何とも不思議な感覚が気持ちよい。 逃亡政権である南宋の少年皇帝のもとに安徳の眠る蜜色の繭玉が現れ、二人は夢の中で友情を結ぶ。あまりにも似通った悲しい境遇の二人を上手く結びつけたものだ。

安徳の怒りを解く地を求めて漂流は続く。ラストシーンの何とおどろおどろしくて耽美的で幻想的で美しくて悲しいことか。このシーンにすべての物語が集約されていたのだなぁと思う。ホラーな物語に慕情とかリリシズムを折り込むのが上手い作家である。










「悪所」の民俗誌 色町・芝居町のトポロジー/沖浦和光
06/7/28

二大悪所、色町と芝居町の成り立ちを、お得意の周縁・被差別・河原者などを交えて説き起こしている。この手の「道々の者」的な話は大好きなのだが、評論家の小谷野敦は、遊女に聖性を求めるのはファンタジーであると断じている。

芝居の祖である出雲の阿国の芸が遊女歌舞伎だったとするなら、売春も芝居も、同じルーツを持つことになる。

芸能・エロス・巫術がひとつものだった中世の白拍子・傀儡女まで遡り、後白河や後鳥羽が、性愛の持つ聖性を求めて卑賤の遊女を寵愛した例を引いているが、改めて説かれてもなぁという気もするし、遊女にそこまでの異能があったのかとも思う。こういう混沌とした時代にはもの凄く魅力を感じるし、周縁の芸能民、商工民の歴史にも魅了されるのだが・・・。

江戸時代、浅草に封じ込められた色町と芝居町だが、信仰の対象である浅草寺があり、見世物・興行小屋があり、いかにも「悪所」の魅力に満ちている。ただ、政道批判でありがちな芝居に庶民が熱中したのは、卑賤の世界に反権力のエネルギーが溜まっていたからだとするのは面白すぎるような気がする。

江戸の婦女子が熱狂した歌舞伎役者も、男達が通い詰めた吉原も、共に幕府の差別政策の対象であり、著者はその辺に反権力のエネルギーを見ているようだが、単に娯楽であり、性欲の捨て所であったような気もする。ただ、三ノ輪に火葬場があり、吉原で精進落としをしたなどという話もあるから、遊女に浄めを求めたということがあったかもしれない。

明治後の悪所については、永井荷風の例が哀れを誘う。やがて滅びていくものへの哀惜だろう。

著者は、被差別・周縁・芸能・流浪民などをライフワークにしているが、専門の研究者というより愛好家という感じなのだろうか。反権力をより所にするのも、どこか左翼の尻尾めいたものを感じたりする。しかしまぁ、中世の流浪民好きとしては興味深い一冊だった。




この著者には「幻の漂泊民・サンカ」という著作もある。柳田国男などの民俗学者がサンカの由来を中世に求めていたのに対し、幕末の飢饉時に山に逃げ込んだ農民の末裔であると論証していて説得力がある。道々の者的な伝奇性を期待する歴史ミーハー(オレ(笑))にとってはとってはやや物足りない面があったりするが、これはこれでとてもスリリングで面白いノンフィクションだった。










弥勒の月/あさのあつこ
06/7/26

「バッテリー」などで人気の児童文学の旗手あさのあつこ初の時代小説である。商家のおかみが掘り割りに身を投げて自殺した事件を、変わり者の同心が探っていくというミステリアスな趣。

木暮信次郎は伝法で冷酷で無神経な同心である。岡っ引きの伊佐治(ぐれた過去のある実直な初老男)は信次郎の父親の代からの付き合いで、信次郎とは肌が合わないものを感じているが、結構いいコンビのような気もする(笑)。

掘り割りに身投げした女性は、小間物問屋遠野屋の家付き娘りんで、信次郎と伊佐治は、引き取りに来た婿養子の落ち着きぶりに胡乱なものを感じる。遠野屋も「単なる身投げではないはずだ」と探索を依頼しており、遠野屋とその周辺を探る主従である。

一癖ありげに見える遠野屋の過去には何があるのか?「弥勒の裳裾を握る」という遠野屋の思いが切ない。遠野屋の過去と伊佐治の過去をダブらせてなかなか上手い。事件の不気味な真相、信次郎も結構いい奴じゃないかと思わせるような描写など読みどころも多いが、耽美的で凄絶さを狙ったような文章はやや大げさかなとも思う(京極夏彦の模倣のような気もする)。

「パッチワーク・プラネット/アン・タイラー」を激賞していたメルマガで、文章が固くて漫画っぽく、事件の真相もありきたりだと恐ろしく酷評しているが、そこまで言うほど悪くもない。ミステリアスな時代小説で、人物描写も上手いと思うし、初の作品としてはそれなりの出来ではないか。これだから他人の感想はあてにならない(笑)。

それにしても、「鬼平犯科帳/池波正太郎」、「髪結い伊三次/宇江佐真理」など、どうして時代小説の岡っ引きや密偵や下っぴきにはイサジが多いのだろう。それぞれが先達へ敬意を表しているのだろうかと思ったりする。










パッチワーク・プラネット/アン・タイラー
06/7/23

気の良いフリーターを主人公にしたハートウォーミングな現代小説。

曾祖父が天使に出会って財産を築いて以来、財団を運営するゲイトリン家では代々の男が天使に出会って幸運を得ているが、一家の持て余し者バーナービーは未だ天使に出会っていない。

バーナビーはひとの秘密をのぞき見るのが好きで、高校生の時に家宅侵入を見つかった逮捕歴がある。更正施設のような私立学校に入れられ、卒業後に出会った魅力的な女性ナタリーと勢いで結婚するも14ヶ月で破綻、月一で娘との面会に通っている。面会の旅の途上、忘れ物を託された女性ソフィアに興味を抱き、パスポートと称されている忘れ物の中身を知りたくてうずうずするバーナビーは、女性を尾行し、娘との面会に遅れてしまうのだった。

老人相手の便利屋のような仕事についているバーナビーは、計画性がなくてだらしないが、人が良く誠実でもある。自分のことを信頼できる男だと思うのは誤解であると述懐しているが、経営者の女性(しわっぽい笑顔が魅力という説明がなかなか良い)からも、利用者からも、人気があるのだ。ソフィアが自分の天使ではないかと考えたバーナビーは偶然を装って近づき・・・。

物語にさほど大きなヤマはなく、ソフィアや娘や同僚マーティーンや顧客との関係が淡々と語られて、ユーモラスでハートウォーミングではある。ただ、ある読書メルマガで「何が何でも読みましょう」の評価を受けていたが、それほどのものかとも思う。アン・タイラーの作品の中でこれほど笑える小説もないというくだりも納得できない(爆笑するような要素はなかったのである)。面白くはあるが、まぁ、ワタシ的には星三つほどの評価だろうか。








ブラウザ放浪
06/7/20

SNSのmixiに、最近こういう日記を書いた。


インターネット・エクスプローラーの安全性に不安があり、オープンソースで開発されているFirefoxが良いらしいと聞いてからしばらく使ってみた。しかし低スペックのPCでは表示が重かった。

次にOPERAを試した(最近に完全無料制になったが、以前はライブドアで配布していたはずである)。これは軽くてとても重宝した。安全性も高いと思っていたのだが、OPERA8.54に重要な欠陥という記事を目にし、慌ててOPERA9をDL。「騙してたのね!」という感じがないでもない(笑)。

で使ってみるとこれがとても重い。Firefoxくらい重い。ではFirefoxに戻そうかと思うが、FirefoxはOPERAのブックマークインポートをサポートしておらず、使い勝手が悪い。何故IEからはインポートできるのにOPERAのブックマークを読み込まないのだろう。OPERAは敵ではないと思っているのか(笑)。

そこで思いついたのがSleipnirというフリーのブラウザである。開発者はフリーの描画ソフトPictbearと同じだったと思う。上級者向けにカスタマイズ自在を謳っていて、ちょっと敷居が高かったのだが、試しにDL。これはもう感動するくらいに軽い。あっという間に表示されるのはとても快感だった。

しかし、やたらと落ちる。エラーメッセージが出るのでそのたびにPCごと再起動しなければならない。恐らく低スペックPCとの相性が悪かったのだろうと思う。とても使ってはいられず、結局OPERAに戻ってきたという次第。どれも帯に短したすきに長しだなぁ・・・(もちろん、低スペックなのが悪いんです)。



↓続編
あたふたしていたブラウザ放浪ですが、少し落ち着いてきました。
Sleipnirを一度アンインストし、
新たにDLしてインストールしたら
わりあいまともに動くようになりました(たまに落ちる)。
Geckoエンジンで落ちやすいようです。
それと何故か文字列のペーストができません・・・。

OPERAのブックマークは
HTMLでエクスポート出来ることが分かり、
FirefoxのブックマークはHTMLなので、
インポートできるかもと思って
やってみたら成功しました。
久しぶりにFirefox使っていますが、
速度はOPERA9より
若干早いような気がします。
既定のブラウザにしてしまうかも・・・(笑)。

国産ブラウザも色々あるものですね。SleipniをシンプルにしたGraniというのがあるようで、これが98で使えればよいのにと思いました。

(というよりXPパソ買えよ!)
(でも、もうすぐVISTAが出るはずだし・・・)
(先立つものも・・・・)
(↑心の中の葛藤(笑))




↓そして本日篇
と言う訳で、やや不安定なSleipnirやらOPERAやら取り混ぜて使っていが、本日“Bagel”というブラウザがあることを発見。Firefox同様Geckoエンジンを使っているが、軽量が売りになっている言うことでDLしてみた。

確かにFirefoxほど重くなく、現在のOPERA9よりも快適で、modzillaのブックマークもインポートできてわりあいサクサク使えるようだ。何やら2ちゃん用ブラウザを流用したそうで、その辺にやや不安があるかも・・・(笑)。








4TEEN/石田衣良
06/7/15

 

語り手のテツロー、頭が切れて皮肉屋のジュン、気の良い太っちょのダイ、富裕な両親を持ち、ウェルナー症候群(早老症)のナオトの4人を主人公に、彼らの身の回りで起こるやや異常な事件と、変わらない友情を描いた中学生小説。

大人が読書対象になっていると思われ、決してヤングアダルトではなかろうと思う。少しだけ気味の悪さを感じさせるあたりが、今時の中学生の特色をよく表しているのかもしれない。

以下は特に印象に残った三編。
「びっくりプレゼント」早老症のナオトが倒れて入院。三人が彼のために思いついた誕生日プレゼントは・・・。悲しさと優しさがない交ぜになった印象。
「月の草」クラスで八番目くらいに可愛いルミナ(ということはほとんど印象がない)が不登校になり、近くに住んでいると言うだけでテツローが教材類を届けさせられている。オートロック付きマンションの室内にあがれと言われ行ってみると、テーブルの上におやつが出されているがルミナの姿はなく、ドア一枚を隔てて携帯で会話することに。上手い設定だなぁ。
「空色の自転車」詳細は避けるが、あざといくらいに切なくて感動的な一編。


ほんの少しだけ不道徳で、でもひとの良い普通の中学生のたちの友情と日常を描き、気持の良い青春小説だった。










青雲遙かに 大内俊助の生涯/佐藤雅美
06/7/11

幕末の江戸、昌平坂学問所で学問(儒教)を修めるために仙台藩から上京した大内俊助は、最初は向学の志に燃えていたが、江戸に馴染むに連れて生活が自堕落になり、朱子学の考え方にも疑問を持つようになる。ほとんどの留学生は、身を立てるための手段として学問をしているのであり、そういうあり方にも疑念を感じているのである。そうして、女がらみで身を持ち崩していく。

このあたり、東京の一流大学に合格し、青雲の志で上京した若者が、東京生活で堕落していくさまを思わせる。或いは、悪女への恋着から何度か失敗した後に幸福を掴む、サマセット・モームの「人間の絆」を連想させたりもした。

蘭学者の高島秋帆を陥れようとした鳥井耀蔵の手先を捕まえるに協力するというようなことがあり、江川太郎左右衛門との細い縁ができたりもする。そして、蘭学で人生のやり直しを図る夢を持ったものの、生活に追われ、そのまま生涯を閉じる覚悟でいるところに・・・。

言葉遣いや人間関係の描き方など、不自然かなと思う場面がなくもないが、時代青春小説として、また人生やり直し小説として大変よく出来ていたと思う。俊介の子孫に絡むラストシーンも感動的。










江戸の繁盛しぐさ  こうして江戸っ子になった/越川禮子 
06/7/8

最近、朝日夕刊のマリオン欄に江戸のマナー「江戸しぐさ」に関するコラムが出ており、興味があって読んでみた。著者はマーケティングか何かの会社の経営者らしいが、「江戸の良さを見なおす会」の芝三光(しば・みつあきら)氏に教えを請い、江戸しぐさの詳細について聞き書きしたものだそうである。著者には老人が豊かに生きる社会についての著作もあるらしく、その辺で江戸しぐさに共感したものらしい。

マリオンには「肩引き」「傘かしげ」「こぶし腰浮かせ」等の江戸しぐさについてが書かれているが、これらはあくまで型に過ぎず、その奧にあるマナーの精神が「江戸しぐさ」なのだそうだ。江戸の大店商家の道徳だったらしい「江戸しぐさ」は、共倒れを防ぎ、共生するための知恵でもあるそうだが、これを突き詰めていくと今時の談合につながりそうな気もする(笑)。今日的な自由競争とは反対側にある精神なのだろう。

「ひとを見たら仏の化身と思え」という謙虚さ、他人の異なる意見を尊重する尊異、プライバシーを問わない「三脱の教え」は先入観より己の目利きを大事にせよという教訓、子供は大人の席に侍らせることで、大人のマナーを自然に身につけさせたことなど、古き良き価値観が匂い立ってくるようである。

江戸っ子に生まれるのではなく、江戸しぐさの精神を身につけることで江戸っ子になったのだそうで、そのためには三代を経る必要があると言うことらしい。このことから言うと、江戸っ子を自慢し、田舎者を「どこの在(ぜぃ)から出てきやがったんだい!」などという台詞で蔑視する自称江戸っ子などは偽物に思えてくる。

大体が「いなかっぺい」という言葉は、「井の中の蛙」の蔑称である「井蛙っぺい(せいあっぺい)」から出たそうで、視野の狭隘な世間知らずを謂いらしい。江戸しぐさを知らない地方出身者がいれば却って親切にしなければならず、となるとは見当はずれなことになる。

ちょっとしたしぐさや目の動きで意思を伝え合うことが出来るかを問われるのも「江戸しぐさ」で、これが秘密結社のように現代まで連綿と伝えられてきたらしいが、謙譲の精神の団体なので、文字にすることをはばかってきたそうだ。このあたりも何か特殊なスリルを感じさせる。

江戸には講(座)と呼ばれるコミュニティがあり、ここで江戸しぐさが物を言ったということだが、思い出すのは熊本の「花連」である。江戸時代の大名家から始まる園芸サークルには栽培の秘伝があり、それをマスコミが取材しようとしても頑として拒否していたそうで、似たものを感じさせる。

「江戸しぐさ」の踏み絵として、「初物を愛で、ご祝儀相場をつける」「(調子に)乗り過ぎても声援する」「新人、新顔を歓迎する」「新しい物に好奇の目を向け、真っ先に取り込む」「ものごとを陽に解釈する」などはベンチャーの精神でもありそうだ。奥床しく、楽観的で、いたずらに他者を排斥しない、このあたりに「江戸しぐさ」の真髄があるのだろう。著者の手紙に対する芝氏の返信などは、折り目正しくて洒脱で、この精神の真骨頂である。ただ、そこには、儒教の精神にも通じるような窮屈な管理主義も見て取れるような気がするが、どうだろう。



今日は日付の並びが6/7/8ですね(笑)。ただそれだけですが・・・(汗)。








♪や〜わらか戦車
06/7/7

ラレコ氏制作の笑えるフラッシュアニメ、やわらか戦線異状なしくわがたツマミは、ぬえの石窟の管理人さんに教えて頂いたものである。

同じ作者によるアニメはどちらもギャグが楽しく、チープなデジタル合成の音楽のシンプルなメロディとリズムがループし、つい耳について離れなくなってしまう。

で、やわらか戦車の方に商品化のオファーが殺到しているという話をウェブで見た。やはり面白いものにはお客さんがつくんですねぇ。「♪や〜わらか戦車 や〜わらか戦車」の新作は、今までと違い6分の大作だが、かなりタイムリーでヤバいネタです(笑)。








ゆめつげ/畠中恵
06/7/4

 

「しゃばけシリーズ」で人気の著者による、幕末の江戸を舞台にした時代ファンタジー。このシリーズ同様の物語である。

弱小神社の神官兄弟の兄・弓月は己の見る夢の中で透視や予言が出来る(夢告。むこく、ゆめつげ)。有力神社の神官から夢告をして欲しいという依頼があるが、幼い頃に行方不明になった大店の跡取り息子らしい男子が三人現れており、その判定に力を貸して欲しいと言うものだった。

あまり気が進まないながら出向いてみると、いきなり辻斬りに命を狙われる羽目に。それから何度も血なまぐさい夢を見ることになる。おっとりのほほんとした弓月は、しゃばけシリーズの一太郎そのままで、キャラ造形にもうすこし工夫が欲しかったと思うが、しっかり者の弟・信行との名コンビ振りは楽しい。

跡取り候補の三人の養い親は、それぞれ己の育て子がそうだと主張してらちが明かないために弓月が呼ばれた訳だが、弓月の夢告は常にピントがはずれており、確かな答を出すことが出来ない。これが実は事態解決につながる鍵の訳だが、このあたりはミステリーも書いたりする著者らしい上手さだろう。

答が出ないまま、神社に集った人々がピンチに陥るが、弓月の力を使っていかにこの窮地から脱出するかが後半の見せ場である。

江戸・超能力・ミステリーと来れば、宮部みゆきの影響を受けていることは間違いないだろう。展開がスピーディーで、一気に読んでしまうくらい面白くもあったが、見せ場を盛り込みすぎてやや散漫になっているような気もした。もう少しネタを絞っても良かったように思う。








男たちは北へ/風間一輝
06/7/3

自転車の旅と自衛隊内の謀略が交互に語られる、センチメンタルな傑作ロードミステリー。

自衛隊の狂気の幹部が企画したクーデター計画の印刷物が、偶然のことから桐沢風太郎(自転車で旅するフリーのグラフィックデザイナー)に拾われる。これを奪回すべく法務官の尾形が追跡し、物語は二人の視点で交互に語られるという設定である。

桐沢には安保反対運動に参加した過去があり、革新政党の活動家だった伯父がいて、編集長賞を受賞したこともあるライターであると言ったような情報が収集されたから、とんでもない奴に拾われてしまったと、自衛隊の監視班は色めき立つことになる。

旅の途上、桐沢は無銭旅行をする少年と知り合い、二人で競うように青森へ向かう。少年の成長と、彼を見守る桐沢の視線が爽やかではあるが、やや説教臭いような気もする。自由・硬派・男臭さを信条とするような人間に描かれている桐沢は、野田知佑椎名誠系列の感じだ。やや古くさくも思うが、JR発足当時に44才という設定だから、現在なら63才か。44歳は現在の自分の年齢だが、それくらいあっという間に経ってしまうのだなぁと、やや薄ら寒い(笑)。

偶然を装い桐沢に接近した尾形は、桐沢にわずかな友情を感じ始める。二人とも自立した人間であり、かつ風変わりで、大して言葉を交わした訳でもないのに通じ合うものがあったという訳である。クサいクサい(笑)。

謀略などのミステリー的興味、自転車の旅の爽快さ、友人への桐沢の思い、少年の成長、ハードボイルドな活劇など、さまざまな要素が詰め込まれた小説だ。数作の傑作を残してあっという間に世を去った著者の早世が残念。センチメンタルでユーモラスでマッチョな作風は、今時から考えればやや古くさくも思えるが、再読しても面白さは変わらない。










Firefox,OPERA,Sleipnir
06/7/1

インターネット・エクスプローラーの安全性に不安があり、オープンソースで開発されているFirefoxが良いらしいと聞いて、しばらく使っていた。しかし低スペックのPCでは表示が重くとても我慢できない。で、次にOPERAを使ってみた(最近に完全無料制になったが、以前はライブドアで配布していたはずである)。

これは軽くてとても重宝した。安全性も高いと思っていたのだが、OPERA8.54に重要な欠陥という記事を目にし、慌ててOPERA9をDL。「騙してたのね!」という感じがないでもない(笑)。

で使ってみるとこれがとても重い。Firefoxくらい重い。ではFirefoxに戻そうかと思うが、FirefoxはOPERAのブックマークインポートをサポートしておらず、使い勝手が悪い。何故IEからはインポートできるのにOPERAのブックマークを読み込まないのだろう。OPERAは敵ではないと思っているのか(笑)。

そこで思いついたのがSleipnirというフリーのブラウザ。開発者は有名なフリー描画ソフトPictbearと同じだったと思う。上級者向けにカスタマイズ自在を謳っていて、ちょっと敷居が高かったのだが、試しにDL。で、これが感動するくらいに軽い。あっという間に表示されるのはとても快感だった。

しかし、やたらと落ちる。エラーメッセージが出るのでそのたびにPCごと再起動しなければならない。恐らく低スペックPCとの相性が悪かったのだろうと思うが、とても使ってはいられず、結局OPERAに戻ってきた。どれも帯に短したすきに長しだなぁ・・・。

更新情報 Plantaに春から初夏の花2006を追加。











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