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青春・恋愛・ユーモア・その他現代小説



青春小説、ユーモア小説、文学作品など、現代を舞台にした小説をまとめました。 もはや青春から遠ざかった年令ですが、青春小説の登場人物には感情移入してしまいます(笑)。

下線のあるものは、日記かブログへリンクしています。



下妻物語/嶽本野ばら
サウスバウンド/奥田英朗










国内作家(五十音順)

作   家  名 作  品  名備 考
秋山 鉄居酒屋野郎ナニワブシ夢のために過酷な労働で資金を貯めた主人公は、以前アルバイトをしていた居酒屋が労働力不足のため、仕方なく手伝うことになります。仲間同士の友情がユーモラスで切ない青春小説ですが、このタイトルは何とかならなかったでしょうか(笑)。
浅田 次郎プリズンホテル大親分が経営する温泉ホテルは、自首する犯罪者が最後の保養をしたり、出所してきた受刑者が疲れを癒したり、地元の人から「プリズンホテル(プリンスホテルではありません(笑))」と呼ばれて恐れられているのでした。大親分の甥にあたるへそ曲がりの作家などがからんで、痛快人情爆笑ドタバタ小説が展開されます。続編「プリズンホテル秋」「プリズンホテル冬」「プリズンホテル春」。
芦原 すなを青春デンデケデケデケベンチャーズに衝撃を受け、バンドを組んだ高校生たちの青春。おそらく作者の自伝なのでしょう。バンドの誕生から、主人公が受験のために東京に旅立つまでをユーモラスにノスタルジックに描いています。妙に老成して生臭い高校生僧侶が一番笑えるかもしれません(笑)。大林宣彦によって映画化されまして、この人が文芸作品を映画化すると大概いじくりすぎて面白くないのですが(名作「転校生」は除く!)、この映画化に関しては完全に原作に忠実でした。
有明 夏夫俺たちの行進曲空襲、震災などの災害から立ち直った福井の町を舞台に、ブラスバンドに熱中する高校生の青春を描いています。戦後民主主義とバンカラが交錯する地方都市の青春が楽しゅうございますね。
石坂 洋次郎光る海昭和30年代、大学を卒業したばかりの若人たちの愛と性を明るく描いた青春小説。戦後民主主義、高度成長、男女同権、明るい未来などが信じられていた、のどかな時代だったんでしょうね(笑)。
      陽のあたる坂道富裕な家で育った複雑な生まれの青年と、その異母妹の女性家庭教師の交流を軸に、異母妹異母弟の青春やその親の世代の葛藤などが、明るい昭和の東京を背景に描かれます。
井上 ひさし花石物語かなり自伝的要素の濃い作品でしょう。東京生活や大学コンプレックスから吃音になってしまった主人公は、母親が屋台を出している製鉄の町で静養することになります。やや風変わりで心優しい人々に囲まれ、自信を取り戻していく様子がユーモラスに語られる青春小説の名篇。
      青葉繁れる戦後の仙台を舞台に、バンカラな高校生たちを主人公にした青春小説。ユーモラスですがどことなく悲しい・・・。私が中学生の頃にテレビドラマ化されたのが懐かしゅうございます。
恩田 陸夜のピクニック学校の行事「歩行祭」で一昼夜を歩き続ける高校生たちが、葛藤や自問を繰り返しながら変化していく様子を描いたサスペンスフルな青春小説。第二回本屋大賞受賞作。
荻原 浩オロロ畑でつかまえて町おこしを企んだ青年部が、なけなしの資金で依頼した先はいいかげんな三流広告社だった!とんでもない企画で客を呼び込もうとするドタバタを描いたユーモア小説。
奥田 英朗サウスバウンド園探しユーモア小説とでも言うのでしょうか。非常識な父親を持ったために苦労している二郎少年ですが、元過激派のパワフルな親父が魅力的ですし、二郎君の東京生活編(友情や、不良少年との確執)が読ませます。
垣根 涼介君たちに明日はないリストラ請負会社の面接担当者とリストラ候補者との虚々実々の戦いと共に、奇妙な(こってりした(笑))男女関係が描かれます。気が強くて人が好くて、苦労はしていてもその苦労が身に付かない明るい女性が魅力的でした。
金城 一紀GO父親が朝鮮総連から居留民団へ転籍したため普通高校へ進学した杉原少年は、友人は少なくても挑戦者には事欠かないスリリングな日々を送っていますが、腕っ節強く、挑戦者をぶちのめし続けています。が、 理知的で個性的な彼女の前では妙に臆病になるのでした。普通に生きるために多少不良じみた生活を送らざるえない在日少年に好感が持てる、痛快な青春小説です。
     レヴォリューションNo.3劣等高の生徒達が、生徒思いの生物教師の「勉強が得意ではない遺伝子を持つ君たちと、エリートの遺伝子を混ぜ合わせて新たな遺伝子を創造してみたらどうだ」という励ましに発奮、ザ・ゾンビーズを結成し、 優等お嬢様高校の文化祭への侵入を企てます。反抗的で健気で意地らしい、愛すべきバカたちの愉快な青春小説。
     フライ、ダディ、フライ行きずりのエリート高の不良に、娘に殴る蹴るの暴行をされた親が、ザ・ゾンビーズの協力で体を鍛え、復讐のために立ち上がります。ユーモラスな中年男再生小説。
北 杜夫白きたおやかな峰作者自身が同行したカラコルム登山隊をモデルにしたと思われる山岳小説。ユーモラスですが、同時に山の厳しさも描かれています。
小林 信彦唐獅子株式会社昔気質のやくざが刑期を終えて出所してきたら、組は近代企業に様変わり、流行り物かぶれの大親分のきまぐれに振り回されることになるのでした。ギャグ満載の任侠パロディ小説。続編「唐獅子源氏物語」。
今 東光小説河内風土記戦後の昭和、作者が住職として赴任していた河内を舞台にけったいで鉄火な人々を描いたユーモラスな地方小説。全6巻。
    悪名勝新太郎の映画シリーズの有名なようですが、私は原作しか知りません。向こうっ気の強い河内者が成り上がっていく、痛快ど根性小説です。
佐藤 正午ビコーズ文学賞を受賞して放蕩三昧の生活送る作家が己の過去を振り返る、センチメンタルな自分探しという感じでしょうか。はっぱをかける編集者が笑えます。
佐藤 多佳子しゃべれどもしゃべれども伸び悩んでいる二つ目の落語家が話し方教室の講師をする羽目に。一風変わった生徒たちと共に落語家自身も成長していく、爽快でユーモラスな青春小説です。
椎名 誠岳物語愉快な息子ガク少年との、楽しくてちょっと切ない親子関係を描いた明るい私小説。続編「続・岳物語」。
重松 清流星ワゴン妻は浮気狂い、息子は中学受験に失敗して引きこもりというボロボロの主人公は、事故死した親子が操る不思議なワゴンに乗り込み、どこで人生を間違えたのかを再確認する旅に出ます。 更に、瀕死の床にあるはずの不仲の父親が若い時の姿で現れ、不思議な友情をはぐくむのでした。安易なリセットではないあたりがさすが家族小説の名手という感じです。
曾野 綾子太郎物語 高校篇大人びた考え方をする闊達な高校生山本太郎を主人公にした青春小説。陸上競技に熱中し、年上のガールフレンドがいて、大人の人生にアドバイスまでしてしまう太郎くんです。中学生の時に初めて読んだ時にはとてもかっこよく思えましたが、今読み返したら絶対に生意気だと思うでしょう(笑)。続編「太郎物語 大学篇」。
竹内 真カレーライフおいしいカレーを作ってくれた祖父ちゃんの葬式の日、大人になったらみんなでカレー屋をやろうと誓ったいとこたち。大人になった彼らの自分探しの旅が爽やかに綴られています。祖父ちゃんの謎を探るというサスペンス付き(笑)。少年小説の方に「自転車少年記」を挙げましたが、青春小説にもかぶる作品だと思います。
     風に桜の舞う道で予備校の特待生として寮生活を送った仲間たちを描く青春小説。
     じーさん武勇伝神楽坂家の超絶なじーさんを主人公にした連作で、腕っ節は強く、曲がったことが嫌い、直情径行で、映画で一目惚れした女優をかっさらい嫁にしてしまった過去を持つじーさんが痛快で魅力的です(笑)。
     図書館の水脈かつて図書館に寝泊まりしたことがある中年作家が、「海辺のカフカ/村上春樹」にインスパイアされて旅に出る。来し方を振り返る、センチメンタルで清々しいロードノベルです。
嶽本 野ばら下妻物語ンキーちゃんとロリータチャンのぶっ飛んだ友情を描く、素っ頓狂で痛快な青春小説の傑作です(笑)。
立川 談四楼「師匠!」様々な師匠と弟子の関係を描いた、ホロリとさせて少し苦みのある人情芸人小説集です。
      ファイティング寿限無余技としてボクシングを始めた前座が、ボクサーとして思わぬ出世をしていくことになり、ボクシングを取るか落語を取るかで苦悩します。療養中の師匠への思いも切なく、ややご都合主義かと思いますが、良くできた落語家青春小説。
永倉 万治みんなアフリカ人が好くて愚かな男と女。愉快で楽しくてホロリとさせる、ユーモアとペーソスの短篇集。
半村 良雨やどり新宿のバー「壺」のマスター仙田の身辺を描く、風俗人情小説。昭和の香りたっぷりです。
ヒキタ クニオ鳶がクルリと待遇が良く安定した会社のレールに乗っているのが突如嫌になったキナコは、親戚の経営する鳶職の会社に転職しますが、そこには不思議な男たちが・・・(笑)。 小気味良いカシラと、個性的な(変な)鳶たちが痛快な長編です。続編「アムステルダムの日本晴れ」。
       青鳥(チンニャウ)日本の広告企業で働く中国女性の幸せ探しを描いています。中国的な人生哲学が語られたり、日中のカルチャーギャップが描かれたり、不思議な味わいの小説でした。
宝積 光都立水商!切れ者の文部キャリアが酔った勢いで 「工業高校商業高校と同じように水商売を養成する高校があってもいいじゃないか」とぶちあげて、 東京都立水商業高等学校がスタートします。 援助交際の常連のような中学生などがふてくされて入学してきますが、熱心な教師やその道のプロの講師の薫陶を得て、 プロとしての技術とプライドを得て卒業していくのでした。 白い目で見られがちな業界での奇妙に温かい世界は、一種のユートピア小説に思えます。
松村 栄子雨にもまけず粗茶一服茶道の家元のどら息子が家業を嫌って家出、友人の元に転がり込んだら、何故か茶の湯の総本山のような京都へ行くことに・・・。 知人になった奇妙な若いお茶人たちと接するうちに、ちゃらんぽらんな若僧が徐々に成長していきます。ユーモラスな青春小説で、遠謀深慮を秘めた出来の良い弟も笑えるのでした(笑)。
宮本 輝ドナウの旅人若い男と家出した初老の母を追い、娘はドイツからドナウをさかのぼる旅に出ます。 情緒豊かなヨーロッパの古都を舞台に、登場人物たちは己について深く思索しますから、恋愛小説兼自分探しロードノベルと言えるかもしれません。
  錦繍観光地のロープウェイで偶然出会った元夫婦の男女。現在、どちらもあまり幸福な状況ではありませんが、文通を重ねるうちに、過去を整理しそれぞれ未来に向かって歩み出す決意をします。読むともりもり元気が出てくる、書簡体小説の傑作でしょう。
森 絵都いつかパラソルの下でストーカー的に厳格だった父親が急死、一周忌の相談が始まる頃、父親の不倫が発覚します。「暗い血」におびえていた父親のルーツ探しに出かけた不肖の子供たちですが・・・。脱力するようなユーモアに彩られた家族小説で、ダメ人間たちの自己肯定の物語という感じも致します(笑)。
山本 幸久笑う招き猫女性漫才コンビを主人公にした青春小説。お笑いタレントではなく、本道の漫才を目指す、苦労性のヒトミと天真爛漫なアカコの凸凹コンビに好感が持てて尚かつ笑えます(笑)。
     はなうた日和少しは辛いことがある日々だけれど、はなうたが出るようないいことがあるかもしれない、という感じの、少し悲しくて幸福な短篇集です。






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